【投資信託】の歴史:荒波にもまれながら

History
Harmony and balance, easy to apply and hard to accompany.
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株式のはじまりと証券取引所の変遷を学んだかーちゃん、今度は「投資信託」の歴史に取り組みました。

「投資信託」出航、の前に定義

世界で最初の投資信託はいつ販売されたのか。これは「投資信託」のタイプと捉え方によって諸説あるのですが、散見したところ、1774年にオランダの商人によって「投資のための資金が集められたこと」をはじまりとする説が支持を得ているようです。

世界初の株式会社としてオランダ東インド会社が設立されたのが1602年ですから、それから170年ほど経ってからの登場になりますね。

と、話を進める前に、「投資信託」とはどのようなものなのか、振り返っておきましょう。

一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。

参照:投資信託協会 そもそも投資信託とは?

前述のオランダ商人は確かに「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ」、「株式や債券などに投資・運用」し、「運用成果」を「投資家それぞれの投資額に応じて分配」することを目的としていたので、1774年はじまりが的外れな説でないことは確かなようです。

ちなみに、投資信託は英語で「mutual fund(s)」。「mutual」は二者以上の複数間も含めた「お互い」を示唆するので「みんなのファンド」というニュアンスを感じることができます。

「投資信託」出航

さて、このオランダ商人Adriaan van Ketwichさんは、1772年に起きた「panic of 1772」とも呼ばれる金融危機をきっかけに、少額で多様性に富んだ投資を可能にする商品、その名もEendragt Maakt Magt(団結は力なり)を考案しました。

イギリスではサウス・シー・バブルを教訓に株式取引が制限されていた時期にあたりますね。

主な投資対象は債券とエクイティという堅実な内容で投資家の人気を集めたEendragt Maakt Magtは、まずまずなスタートを切りました。ところが、1780年に勃発したオランダ・イギリス間の戦争によって運用が立ち行かなくなり、姿を消してしまいます。

「投資信託」海を渡る

世界初の投資信託Eendragt Maakt Magtは10年弱という短い命に散ってしまいましたが、「投資信託」という手法は引き継がれ、やがて海を越えてアメリカに渡ります。そして1893年、はじめてのクローズド・エンド型投資信託The Boston Personal Property Trust(ボストン動産信託)がつくられました。

金融界の中心もすでにニューヨーク証券取引所のあるアメリカへと移っているころになります。

オープン・エンド型の走りとして時期限定で換金できる商品The Alexander Fund in Philadelphia(フィラデルフィア・アレクサンダー信託)はそれから14年後の1907年に登場します。

そして1928年には真にオープン・エンド型の投資信託Massachusetts Investors’ Trust of Boston(マサチューセッツ・ボストン投資家信託)が売りに出されました。

おや…海を渡ってからのネーミングはパッとしませんね。

この1928年というのは「投資信託」としてはメモリアルな年で、ノーロード・ファンドや株式と債券が混在するファンドが登場したのもこの年でした。

「投資信託」荒波にもまれる

さてさて、そろそろアレが来るな、とお察しの方もおられるでしょう。

はい。世界大恐慌です。諸々の火種はあったのですが、1929年の10月24日、後に「Black Thursday(暗黒の木曜日)」と呼ばれることになるこの日の株価大暴落をきっかけに世界は大恐慌へと突入しました。皮肉にも、投資信託によって多くの人が投資に身を投じていたことが被害を拡大させる一因になったという見方もあるようですが、ここではそれ以上ツッコみません。

いずれにせよ、この大恐慌によって高いレバレッジのかけられていたクローズド・エンド型の多くが姿を消し、小規模なオープン・エンド型が生き残ることになりました。また、アメリカ政府が投資信託の重要性に気づき、諸々のルール作りに着手しはじめたきっかけになったのもこの大恐慌だと言えるでしょう。

ルールの制定が後手に回ってしまうことは、世の常ですね。

「投資信託」荒波を乗り越えて

さてさてさて、投資信託は大恐慌から持ち直した世界でも発展を続け、1976年には初のインデックス・ファンドVanguard 500 Index Fund(VFIAX)の販売が開始されました。

このVFIAXはいま現在も購入できる、半世紀近く続く老舗ファンドになります。純資産総額は500兆円を超え、歴史という重みを感じることのできる逸品と言えます(参照:Vanguard, VFIAX, Overview

その後、1980年代から90年代にかけてアメリカでは再び投資熱が燃え上がり、それまでは黒子のような存在だったファンド・マネージャーにも脚光が当てられるようになりました。ピーター・リンチやマイケル・プライスといった投資家が注目を集め、必然投資信託にも大量の資金がつぎ込まれるようになったのです。

「投資信託」掻き分け続ける

21世紀に入ってからも、2003年に相次いだアメリカ投資信託界でのスキャンダルや2008年のリーマン・ショックなど、数々の荒波に投資信託はもまれるわけですが、その人気は衰えるところを知らず、やれパッシブだ、やれアクティブだ、やれ毎月分配型だ、やれ無分配型だ、などなどなどなど、さまざまなタイプが割拠する投資界になくてはならない存在となっています。

新たなる強敵ETFの登場にも負けず、「投資信託」はひたすら大海原を漕ぎ進んでいるのです。

参照サイト

この記事を作成するにあたっては以下のサイトを参照しました。

The History of Mutual Funds | IFIC.ca
A Brief History of the Mutual Fund
This popular investment vehicle has seen its share of ups and downs, successes a...
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